ミニマリストになりたい心理は?国の世論調査は「言い切り」だけ逆転する
「心の豊かさ」を重視する人は52.6%、「物の豊かさ」は46.2%。ただし小計を外して言い切った人だけを見ると10.4%対16.7%で、順位がひっくり返ります。
部屋を見渡して「減らしたい」と思う。その気持ちがどこから来ているのか、統計に聞いてみることにしました。
「心の豊かさ」52.6%対「物の豊かさ」46.2%。ただし小計を外して言い切った人だけで見ると、10.4%対16.7%で逆転します。心の側の多数は「どちらかといえば」でできています。※内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」で確認
暮らしの考え方については、ゆるミニマリスト入門(全まとめ)にまとめています。
この記事の調べ方
- 確認した情報源
- 内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」の問14「これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか」の集計表と、同じ調査票の設問文
- やったこと
- 公表されている小計と、その内訳4区分をそれぞれ書き出し、小計だけを見た場合と言い切りだけを見た場合で順位が変わるかを確かめた
- 確認日
- 2026-08-19(当日にPDFを取得して照合)
- していないこと
- ミニマリストを対象にした心理調査は探した範囲で見つからなかったので扱っていない。心理学の解釈も加えていない
小計だけ見ると、心が勝つ

内閣府の「国民生活に関する世論調査」は、昭和32年度から原則毎年度実施されている調査です。令和7年8月調査は68回目にあたり、全国18歳以上5,000人を対象とした郵送法で、回収数は2,729人(回収率54.6%)でした(出典:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」、2026-08-19閲覧)。
設問はこうです。「あなたは、今後の生活において、心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたいと思いますか。それとも物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたいと思いますか」。
| 選択肢 | 割合 |
|---|---|
| 心の豊かさ側(小計) | 52.6% |
| 1. 心の豊かさやゆとりのある生活 | 10.4% |
| 2. どちらかといえば心の豊かさ | 42.2% |
| 物質的な面側(小計) | 46.2% |
| 3. どちらかといえば物質的な面 | 29.5% |
| 4. 物質的な面で生活を豊かにする | 16.7% |
| 無回答 | 1.1% |
小計では心が6.4ポイント上回ります。ここで止めれば「日本人は心の豊かさを求めている」という話になります。
言い切った人だけを取り出すと10.4%対16.7%。物の側のほうが6.3ポイント多い。
「どちらかといえば」の位置が違う
2つの側で、内訳の形がまるで違います。
心の側は10.4%と42.2%。4分の3以上が「どちらかといえば」です。物の側は16.7%と29.5%で、言い切りの比率がずっと高い。同じ小計の高さでも、中身の密度が違います。
| 見る単位 | 心の豊かさ | 物質的な面 | どちらが多いか |
|---|---|---|---|
| 小計 | 52.6% | 46.2% | 心(+6.4pt) |
| 言い切りのみ | 10.4% | 16.7% | 物(+6.3pt) |
| 「どちらかといえば」のみ | 42.2% | 29.5% | 心(+12.7pt) |
| 言い切りが小計に占める割合 | 19.8% | 36.1% | 物 |
心の豊かさ側の8割は「どちらかといえば」でできています。切り取り方ひとつで結論が変わる、という構造がそのまま出ています。
貯蓄の設問でも、同じことが起きている

同じ調査の問15も見ました。将来に備えるか、毎日の生活を充実させて楽しむかを聞いています。
| 選択肢 | 割合 |
|---|---|
| 貯蓄や投資など将来に備える(小計) | 43.5% |
| 1. 将来に備える | 14.7% |
| 2. どちらかといえば将来に備える | 28.8% |
| 毎日の生活を充実させて楽しむ(小計) | 55.7% |
| 3. どちらかといえば毎日を充実させる | 39.9% |
| 4. 毎日を充実させて楽しむ | 15.8% |
小計では12.2ポイント差ですが、言い切りだけ見ると15.8%対14.7%で1.1ポイントしかありません。2つの設問で同じ現象が起きています。「どちらかといえば」に人が集まる調査だと分かります。
この調査に、ミニマリストという語は出てこない
正直に書きます。この調査でミニマリストのことは分かりません。設問にその語は登場しないし、暮らし方の類型も聞かれていません。
分かるのは、物と心のどちらに重きをおきたいかを聞いたときの分布と、その分布が「どちらかといえば」に厚いということだけです。減らしたいという気持ちを、多数派に属している証拠として使うことはできません。言い切っている人の側は、実は物のほうが多かったからです。
数で言えることの限界は、本の点数を数えたときも同じでした。ミニマリストブームは終わった?本の点数を14年ぶん数えたでは、その数え方で何が言えて何が言えないかを分けています。
飽きたときの考え方はミニマリストは飽きたらどうする?、お金の面はミニマリストはお金が貯まらない?にまとめています。
よくある質問
心の豊かさを重視する人はどれくらいいますか?
内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」で、心の豊かさやゆとりのある生活に重きをおきたい人の小計は52.6%でした。物質的な面で生活を豊かにする側の小計は46.2%です。n=2,729(回収率54.6%)。
小計と内訳で何が違うのですか?
心の側は「心の豊かさ」10.4%と「どちらかといえば心の豊かさ」42.2%の合計、物の側は「物質的な面」16.7%と「どちらかといえば物質的な面」29.5%の合計です。言い切った人だけを見ると10.4%対16.7%となり、順位が逆になります。
この調査はどう実施されたものですか?
全国18歳以上の日本国籍を有する者5,000人を対象にした郵送法の調査で、回収数は2,729人(回収率54.6%)。調査期間は令和7年8月7日から9月14日です。昭和32年度から原則毎年度実施され、今回で68回目にあたります。
貯蓄と今の生活では、どちらを重視する人が多いですか?
同じ調査で「毎日の生活を充実させて楽しむ」の小計が55.7%、「貯蓄や投資など将来に備える」の小計が43.5%でした。ただし言い切りだけ見ると15.8%対14.7%で、差は1.1ポイントまで縮みます。
この調査でミニマリストのことは分かりますか?
分かりません。この調査にミニマリストという語は出てきません。分かるのは、物と心のどちらに重きをおきたいかを聞いたときの回答の分布だけです。ただし「どちらかといえば」が多数を占めるという構造は、態度の強さを考えるうえで参考になります。
「心の豊かさを求める時代」という言い方を、根拠に使わない。言い切っている人の側では、物の豊かさのほうが多い。
小計だけ引用すれば心が勝ちます。ただ内訳を開くと、心の側の8割が「どちらかといえば」でした。物の側は3分の1以上が言い切っています。態度の強さで言えば逆です。減らしたい気持ちを時代の流れとして正当化すると、あとで揺り戻しが来たときに拠りどころがなくなります。自分の理由で持っているほうが持ちます。
この見解が当てはまらない人:世の中の傾向を気にせず減らしている人には当てはまりません。もともと外の数字を根拠にしていないので、この記事で変わるところがありません。
根拠:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」の問14・問15の集計表(2026-08-19閲覧)。小計と内訳の比較、および「言い切りが小計に占める割合」は編集部が公表値から計算しました。この調査にミニマリストという語が出てこないことは、編集部が速報の設問一覧を通読して確認しています。心理の解釈については編集部は立場を取りません。
この記事のまとめ
- 小計は心の豊かさ52.6%対 物質的な面46.2%
- 言い切りだけなら10.4%対16.7%で逆転する
- 心の側は8割が「どちらかといえば」。物の側は3分の1以上が言い切り
- 貯蓄の設問でも同型(小計12.2pt差→言い切りでは1.1pt差)
- この調査にミニマリストという語は出てこない
出典・参考(すべて2026-08-19閲覧)
- 内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」 https://survey.gov-online.go.jp/living/202509/r07/r07-life/
- 同 概略版PDF https://survey.gov-online.go.jp/202509/r07/r07-life/gairyaku.pdf