ミニマリストはお金が貯まらない?国の調査は「貯める」が少数派だった
内閣府の世論調査で「毎日の生活を充実させて楽しむ」は55.7%、「貯蓄や投資など将来に備える」は43.5%。ただし言い切りだけ見ると15.8%対14.7%で、差は1.1ポイントまで縮みます。
ものを減らせばお金が残るはずだった。残高を見ると、そうでもない月がある。何を見誤っていたのかを、統計から探しました。
国の世論調査で「将来に備える」は43.5%、「毎日を充実させて楽しむ」は55.7%。ただし言い切った人だけなら14.7%対15.8%で、差は1.1ポイントしかありません。貯めるか使うかは、世の中でもほぼ拮抗しています。※内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」で確認
暮らしの考え方は、ゆるミニマリスト入門(全まとめ)にまとめています。
この記事の調べ方
- 確認した情報源
- 内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」の問15(将来に備えるか毎日を充実させるか)、問17(働く目的)、問19(収入と自由時間)
- やったこと
- 問15の小計と内訳4区分を書き出し、小計で見た場合と言い切りだけで見た場合の差を計算した
- 確認日
- 2026-08-19(当日にPDFを取得して照合)
- していないこと
- 持ち物の量と貯蓄額を結びつけた統計は見つからなかったので扱っていない。資産形成の方法についても助言していない
小計と言い切りで、差が10倍以上ちがう

内閣府の「国民生活に関する世論調査」は、昭和32年度から原則毎年度実施されている調査です。令和7年8月調査は68回目で、全国18歳以上5,000人へ郵送し、2,729人から回答を得ました(回収率54.6%/出典:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」、2026-08-19閲覧)。
問15の設問文はこうです。「あなたは、今後の生活において、貯蓄や投資など将来に備えることに力を入れたいと思いますか。それとも毎日の生活を充実させて楽しむことに力を入れたいと思いますか」。
| 選択肢 | 割合 |
|---|---|
| 将来に備える(小計) | 43.5% |
| 1. 貯蓄や投資など将来に備える | 14.7% |
| 2. どちらかといえば将来に備える | 28.8% |
| 毎日を充実させて楽しむ(小計) | 55.7% |
| 3. どちらかといえば毎日を充実させる | 39.9% |
| 4. 毎日の生活を充実させて楽しむ | 15.8% |
| 無回答 | 0.8% |
| 見る単位 | 将来に備える | 毎日を充実 | 差 |
|---|---|---|---|
| 小計 | 43.5% | 55.7% | 12.2pt |
| 言い切りのみ | 14.7% | 15.8% | 1.1pt |
差が11分の1になりました。強く思っている人の数で言えば、貯める側と使う側はほぼ同じだけいます。
「今どき貯蓄より経験」という言い方は、小計でしか成立しない。言い切りで見ると1.1ポイント差。
お金を得るために働く人が63.2%
同じ調査の問17で、働く目的を聞いています。
| 働く目的 | 割合 |
|---|---|
| お金を得るために働く | 63.2% |
| 生きがいをみつけるために働く | 13.3% |
| 社会の一員として、務めを果たすために働く | 10.9% |
| 自分の才能や能力を発揮するために働く | 7.2% |
| 無回答 | 5.4% |
問19の収入と自由時間では、「どちらかといえば収入をもっと増やしたい」41.9%が最多で、自由時間側は「もっと増やしたい」13.3%と「どちらかといえば」29.1%でした。
お金を軽く扱う世の中ではありません。問15で「毎日を充実させて楽しむ」が多数を占めても、その原資は稼ぐことに置かれています。
持ち物と貯蓄額を結んだ統計は無い

ここで、この記事にできないことを書きます。「ものを減らすと貯まるか」に答えられる公的な統計は、探した範囲では見つかりませんでした。
この世論調査は意識を聞いています。家計の実額は別の統計の領域です。両者を結んだ集計は公表されていないので、「ミニマリストは貯まる/貯まらない」を国の数字で証明することはできません。
言えるのは、貯めたい気持ちと使いたい気持ちがほぼ同じ強さで存在しているということまでです。減らす暮らしを始めても、この2つの気持ちがなくなるわけではありません。持ち物が減っただけで、選好までは変わらない。そこに期待をかけすぎると、残高を見たときに落ち込みます。
気持ちの構造はミニマリストになりたい心理、続け方はミニマリストは飽きたらどうする?にまとめています。
よくある質問
将来に備えたい人と今を楽しみたい人、どちらが多いですか?
内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」で、毎日の生活を充実させて楽しむ側の小計が55.7%、貯蓄や投資など将来に備える側の小計が43.5%でした。今を楽しむ側が12.2ポイント上回っています。
その差は本当に大きいのですか?
見方によります。内訳は今を楽しむ側が「毎日を充実させて楽しむ」15.8%+「どちらかといえば」39.9%、将来に備える側が「将来に備える」14.7%+「どちらかといえば」28.8%です。言い切った人だけを比べると15.8%対14.7%で、差は1.1ポイントまで縮みます。
ものを減らすと貯金は増えますか?
この調査に持ち物の量と貯蓄額を結びつけた集計はありません。したがって国の資料からは答えられません。分かるのは意識の分布だけで、実際の家計の動きは別の統計を見る必要があります。
働く目的は何と答えられていますか?
同じ調査の問17で「お金を得るために働く」が63.2%と最も多く、「生きがいをみつけるために働く」13.3%、「社会の一員として、務めを果たすために働く」10.9%、「自分の才能や能力を発揮するために働く」7.2%と続きます。
収入と自由時間ではどちらを増やしたい人が多いですか?
同じ調査の問19では「どちらかといえば収入をもっと増やしたい」が41.9%、「どちらかといえば自由時間をもっと増やしたい」が29.1%、「自由時間をもっと増やしたい」が13.3%でした。収入側が上回っています。
ものを減らしたことを、貯まる理由にしない。持ち物が減っても、貯めたい気持ちと使いたい気持ちの綱引きは残る。
国の調査では、貯める側と使う側が言い切りではほぼ拮抗していました(上の表を参照)。しかも働く目的の1位は「お金を得るため」です。減らす暮らしは、この綱引きの外に出る方法ではありません。持ち物が減ったぶんだけ自動的に残ると考えると、残らなかった月に理由が分からなくなります。
この見解が当てはまらない人:もともと固定費の削減を目的に減らしている人には当てはまりません。その場合は持ち物ではなく契約を減らしているので、効き方が違います。
根拠:内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」の問15・問17・問19の集計表(2026-08-19閲覧)。小計と言い切りの差の計算は編集部が公表値から行いました。持ち物の量と貯蓄額を結びつけた公的統計は、編集部が探した範囲では見つかっていません。個別の資産形成については編集部は助言しません。
この記事のまとめ
- 小計は毎日を充実55.7%対 将来に備える43.5%(12.2pt差)
- 言い切りだけなら15.8%対14.7%=1.1pt差。ほぼ拮抗している
- 働く目的の1位は「お金を得るために働く」63.2%
- 収入と自由時間では収入側が上回る(41.9%+α)
- 持ち物の量と貯蓄額を結んだ公的統計は見つからなかった
出典・参考(すべて2026-08-19閲覧)
- 内閣府「国民生活に関する世論調査(令和7年8月調査・速報)」 https://survey.gov-online.go.jp/living/202509/r07/r07-life/
- 同 概略版PDF https://survey.gov-online.go.jp/202509/r07/r07-life/gairyaku.pdf