ミニマリストは家計簿をつけない?固定費だけ見ると8割が残る
家計簿はやめて固定費だけ見ればいい、とよく言われます。家計調査の単身世帯で住居と光熱・水道を足すと月35,000円、消費支出173,042円の20.2%でした。残りの8割は毎月動く費目です。
価格・プランは2025年12月時点の各社公式サイトの表示にもとづきます。最新の金額は各社の公式サイトでご確認ください。
レシートを分類する作業は、たしかに続きません。やめる決断そのものより、やめたあとに何を見るかで結果が変わります。
「固定費だけ見ればいい」という方法は、単身世帯の支出の約2割しか見ていません。家計調査の2025年平均で、住居と光熱・水道を足すと月35,000円。消費支出173,042円に対して20.2%です。残る8割をどう扱うかを決めないと、記録をやめただけで終わります。※総務省統計局「家計調査報告」2025年平均の実数で計算
一人暮らしのお金まわりの判断は、一人暮らしのリアル(全まとめ)にまとめています。
この記事の調べ方
- 確認した情報源
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」。単身世帯の消費支出と10大費目の月平均額を書き写した
- やった計算
- 10費目を足して、掲載の消費支出と一致するか確かめた。各費目の構成比も計算した
- 確認日
- 2026-08-19(当日にPDFを取得して本文と照合)
- していないこと
- 自分の家計を公開していない。家計簿アプリの比較もしていない。投資や貯蓄の方法についても判断していない
単身世帯の支出を、費目ごとに並べる

まず、話の土台になる数字を置きます。2025年の単身世帯(平均年齢58.6歳)の消費支出は、1世帯あたり1か月平均173,042円でした(出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」、2026-08-19閲覧)。
| 費目 | 月平均額 | 構成比 |
|---|---|---|
| 食料 | 49,321円 | 28.5% |
| その他の消費支出 | 28,396円 | 16.4% |
| 住居 | 21,667円 | 12.5% |
| 教養娯楽 | 21,173円 | 12.2% |
| 交通・通信 | 19,334円 | 11.2% |
| 光熱・水道 | 13,333円 | 7.7% |
| 保健医療 | 8,754円 | 5.1% |
| 家具・家事用品 | 6,120円 | 3.5% |
| 被服及び履物 | 4,908円 | 2.8% |
| 教育 | 37円 | 0.0% |
| 消費支出(計) | 173,042円 | 100% |
10費目を足すと173,043円になり、掲載の消費支出173,042円と1円だけずれます。これは各費目を円単位に丸めた結果で、転記の間違いではありません。数字を写し間違えていないかは、この足し算で確かめました。
最大の費目は食料の49,321円。住居の2倍以上あり、しかも毎日動く。
「固定費だけ見る」で見えている範囲
家計簿をやめる話とセットで出てくるのが、固定費の見直しです。契約を1回変えれば毎月効き続けるので、手間あたりの効果が高いのは確かです。
ただ、範囲を数えるとこうなります。
| 見る範囲 | 月あたりの金額 | 消費支出に占める割合 |
|---|---|---|
| 住居+光熱・水道 | 35,000円 | 20.2% |
| 上に交通・通信を足す | 54,334円 | 31.4% |
| 食料+その他+教養娯楽 | 98,890円 | 57.1% |
住居と光熱・水道を「固定費」と呼ぶなら、そこは2割です。通信費まで含めて3割。金額の大きい側は、むしろ動く費目に寄っています。食料・その他の消費支出・教養娯楽の3つだけで57.1%を占めます。
だから「固定費だけ見る」は、間違いではないけれど、言い切ると半分残ります。やめるのは記録であって、見ることではない、という整理のほうが実態に合います。
この数字を自分に重ねる前に、2つ確認する

この表をそのまま自分の家計に当てるのは危ないので、2つだけ書いておきます。
ひとつ目は年齢です。家計調査の単身世帯は平均年齢58.6歳です。同じ調査の中でも、勤労者世帯に限ると平均43.3歳になり、その実収入は1か月平均386,791円でした。年齢層が変われば保健医療も教養娯楽も比重が変わります。20代の一人暮らしの平均値ではありません。
ふたつ目は住居費です。21,667円という数字を見て「家賃が安すぎる」と思うはずです。これは単身世帯に持ち家の人が含まれ、持ち家の家賃相当額(帰属家賃)を消費支出に含めない扱いになっているためです。賃貸で暮らす人の家賃の目安としては使えません。
つまり、この表は構成比の形を見るための材料であって、金額をそのまま自分の予算にする材料ではありません。
記録をやめても残せる見方
全部を記録しないと決めたうえで、大きいところだけ見る、という中間のやり方はあります。
| やり方 | 見る範囲 | 手間 |
|---|---|---|
| 全部を家計簿に記録 | 100% | 毎日 |
| 大きい3費目だけ月末に合計 | 57.1% | 月1回 |
| 固定費だけ見直す | 20.2% | 契約時のみ |
| 残高だけ見る | 合計の増減だけ | 月1回 |
どれが正しいという話ではありません。見る範囲と手間はきれいに引き換えになっているので、どこで折り合うかを自分で決める、という形になります。持ち物を減らすと支出の項目自体が減るので、そのぶん見る対象は少なくなります。減らす順番はミニマリストが最初に捨てるものは何?に、光熱費まわりの判断は一人暮らしの湯船はもったいない?にまとめています。
よくある質問
固定費だけ見る家計管理で足りますか?
見ている範囲は思ったより狭いです。総務省の家計調査によると、2025年の単身世帯の消費支出は1か月平均173,042円で、住居21,667円と光熱・水道13,333円を足しても35,000円、全体の20.2%です。固定費の見直しは効き目が続く反面、残りの約8割はそこに入っていません。
単身世帯でいちばん大きい費目は何ですか?
食料です。2025年の平均で1か月49,321円、消費支出の28.5%を占めます。住居の21,667円の2倍以上で、しかも毎日動く費目です。金額の大きさで見るなら、固定費より先にここが目に入る位置にあります。
家計調査の住居費が2万円台なのはなぜですか?
家計調査の単身世帯には持ち家の人が含まれ、持ち家の場合に家賃相当額を計上する「帰属家賃」は消費支出に含めない扱いだからです。そのため21,667円という数字は、賃貸で暮らす人の家賃の目安としては使えません。
家計調査の単身世帯は、若い一人暮らしと同じですか?
同じではありません。2025年の単身世帯の平均年齢は58.6歳です。勤労者世帯に限ると平均43.3歳になります。年齢層が違うと保健医療や教養娯楽の比重も変わるので、自分の生活にそのまま重ねないほうが安全です。
記録をまったくつけないのは危ないですか?
危ないかどうかは、何を決めたいかによります。金額の大きい費目ほど、動いたときの影響も大きくなります。上の内訳でいえば食料・その他の消費支出・教養娯楽の3つで消費支出の57%を占めるので、全部を記録しなくても、この3つだけ月末に合計を見る、という中間のやり方は取れます。
家計簿はやめていい。ただし「固定費だけ見る」に置き換えるなら、そこが2割だと知ったうえで選ぶ。
上の構成比のとおり、金額の大きい側は動く費目に寄っています。固定費の見直しは手間あたりの効きがいい一方で、見ている範囲は狭い。記録をやめること自体は続けやすさの点で理にかなっていますが、やめたあとに何も見ない状態と、大きい3費目だけ月末に合計する状態は、同じ「家計簿なし」でも中身が違います。
この見解が当てはまらない人:収入が月ごとに大きく変わる人には当てはまりません。支出側の構成比より、入ってくる額の振れ幅のほうが先に効きます。事業の経費と生活費が混ざっている人も別で、記録をやめる選択そのものが取りにくくなります。
根拠:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」(2026-08-19閲覧)の単身世帯・10大費目の月平均額と、そこから計算した構成比。編集部は自分の家計を公開していないため、具体的な節約手段や貯蓄の方法については立場を取りません。
この記事のまとめ
- 2025年の単身世帯の消費支出は1か月平均173,042円
- 住居+光熱・水道は35,000円=20.2%。固定費だけ見る運用の守備範囲はここまで
- 最大は食料の49,321円(28.5%)で、動く費目のほうが大きい
- 住居費21,667円は持ち家を含むため家賃の目安には使えない
- 単身世帯の平均年齢は58.6歳。若い一人暮らしの平均ではない
出典・参考(2026-08-19閲覧)
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」 https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2025.pdf
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)調査結果」 https://www.stat.go.jp/data/kakei/2.html