検証ノート
公開 251 記事 比較表つき 210 本 横に並べた数 中央値 5 件・最多 16 件 紹介料で結論を変えない
検証 ・ 家電

ミニマリストに冷蔵庫はいらない?国の省エネ策は全部「置いたまま」

資源エネルギー庁が冷蔵庫について挙げている省エネ行動は5つ。全部が「置いたまま」できることで、合計すると年約5,180円です。手放す前に、この5,180円ぶんを先に取れます。

比較表で6件を横に並べた
調べ方を開示
ミニマリストに冷蔵庫はいらない?国の省エネ策は全部「置いたまま」

価格・プランは2026年1月時点の各社公式サイトの表示にもとづきます。最新の金額は各社の公式サイトでご確認ください。

冷蔵庫の扉を開けたまま、何を取りに来たか思い出そうとしていた。あの数秒に値段がついていると知ったのは、あとからでした。

結論

資源エネルギー庁が冷蔵庫について挙げている省エネ行動は5つあり、その全部が「冷蔵庫を置いたまま」できることです。金額を足すと年約5,180円。手放す判断より先に、この額を取りにいけます。※資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」キッチンの冷蔵庫の項で確認

一人暮らしの家電をどこまで持つかは、一人暮らしのリアル(全まとめ)にまとめています。

この記事の調べ方

確認した情報源
資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」の家庭向けページ、キッチンの冷蔵庫の項(省エネ行動と省エネ効果の欄)
やった計算
5つの行動それぞれの節約額を足し合わせた。5つが「所有を続けること」を前提にしているか、原文を1つずつ読んで確かめた
確認日
2026-08-19(当日にページを取得して本文と照合)
していないこと
自宅の冷蔵庫の消費電力を測っていない。5つを同時に実行したときに合計額どおりになるかは、資料に書かれていないので検証していない

5つの行動と、その値段

キッチンに置かれた冷蔵庫

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトには、冷蔵庫の項に5つの行動が並んでいます(出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」キッチン、2026-08-19閲覧)。

行動比較の条件年間の電気年間の金額
設定温度を適切に「強」→「中」(周囲温度22℃)61.72kWh約1,910円
壁から適切な間隔で設置上と両側が接する→片側だけ接する45.08kWh約1,400円
ものを詰め込みすぎない詰め込み→半分43.84kWh約1,360円
無駄な開閉はしない旧JIS開閉試験の2倍→標準10.40kWh約320円
開けている時間を短く20秒→10秒6.10kWh約190円
合計—167.14kWh約5,180円

5つとも、冷蔵庫がそこにあることを前提にした行動です。「手放す」という選択肢は、この資料には出てきません。

ここだけ

いちばん効くのは設定温度を「強」から「中」にすること(年約1,910円)。買い物も工事も要らず、今日ダイヤルを回すだけで届く。

「開け閉め」への注目は、たぶん過大評価されている

冷蔵庫の節電といえば、開けている時間を短くする話がよく出ます。国の資料でもちゃんと項目になっています。ただ、金額を並べると位置づけが変わりました。

開閉回数と開けている時間を足しても年約510円。設定温度の約1,910円の3分の1にも届きません。扉の前で悩む時間を減らすより、ダイヤルを一段下げるほうが約4倍効く計算です。

ここで使われている「旧JIS開閉試験」の中身も、資料に書かれていました。冷蔵庫は12分ごとに25回、冷凍庫は40分ごとに8回、開放時間はいずれも10秒。この試験条件の2倍の開け閉めをして、ようやく年320円ぶんの差です。日常の開け閉てで生活が変わるほどの額にはなりません。

「未開封の調味料は入れないで」と名指しされている

整理された冷蔵庫の庫内

同じページの本文に、こういう一文があります。「常温で保存できるものを冷蔵庫に入れていませんか?缶詰、びん詰や調味料は、未開封なら冷蔵庫に入れないで!」。

3つが名指しされているのは珍しい書き方です。しかもこれは、金額が出ている「詰め込みすぎない(年約1,360円)」に直結します。庫内を半分にするのは大変ですが、未開封の缶詰とびん詰と調味料を外に出すだけなら、今日できます。

やること効く先要るもの
設定を「強」→「中」年約1,910円なし
未開封の缶詰・びん詰・調味料を庫外へ年約1,360円の側常温の置き場所
壁との間隔をあける年約1,400円数センチの余地
冷蔵庫を手放す資料に記載なし処分費・食生活の作り直し

手放す判断は、省エネの話とは別のところにある

ここまでは国の資料で言えることでした。ここから先は、資料の外です。

冷蔵庫を手放すと、買い物の頻度が上がります。まとめ買いができなくなり、作り置きも減ります。夏場は常温で置ける時間が短くなります。これは電気代の話ではなく、生活の組み立ての話です。年約5,180円を取り切ってもまだ「置きたくない」なら、それは省エネではなく場所と生き方の判断になります。

順番を逆にすると危ないのは、手放したあとに5,180円ぶんの改善余地が消えてしまうことです。持っている今しか使えない打ち手なので、先に使い切ってから決めるほうが取りこぼしがありません。

台所全体の見直しはミニマリストのキッチンに必要なもの、調味料の置き場所は一人暮らしに最低限必要な調味料にまとめています。

よくある質問

冷蔵庫の省エネで一番効くのは何ですか?

資源エネルギー庁が挙げる5つの行動のうち、金額が最も大きいのは設定温度を「強」から「中」にすることで、年約1,910円です(周囲温度22℃の場合)。次が壁から適切な間隔で設置する約1,400円、詰め込みすぎない約1,360円と続きます。

ドアの開け閉めを減らすと、どれくらい違いますか?

国の資料では、開閉回数を旧JIS開閉試験の2倍から標準に戻した場合で年約320円、開けている時間を20秒から10秒に短くした場合で年約190円です。合わせても約510円で、設定温度の約1,910円には届きません。

冷蔵庫の中身を減らすと電気代は下がりますか?

下がります。資源エネルギー庁は、詰め込んだ場合と半分にした場合の比較で年約1,360円としています。ものを減らす行為が金額で示されている数少ない例です。ただし冷凍室は詰まっているほうが効率がよいとされる点は、この資料には書かれていません。

国は冷蔵庫を手放すことを勧めていますか?

勧めていません。省エネポータルサイトの冷蔵庫の項に並ぶ5つの行動は、すべて冷蔵庫を置いたままできることです。所有をやめる選択肢は、この資料には登場しません。

常温で保存できるものを冷蔵庫に入れていませんか、とはどういう意味ですか?

資源エネルギー庁は「缶詰、びん詰や調味料は、未開封なら冷蔵庫に入れないで!」と書いています。庫内が空けば詰め込みすぎの解消につながり、年約1,360円の側に効きます。未開封の缶詰・びん詰・調味料が指名されている点が具体的です。

編集部の見解

冷蔵庫は、手放す前に上の表にある5つの余地を使い切る。使い切ってもまだ置きたくないなら、それは省エネではなく場所の判断だと自覚して決める。

国の資料が挙げた5つは、全部「持ったままできること」でした。ということは、冷蔵庫を持っている間しか使えない打ち手です。手放してしまうと、表に並んだ金額は取りに行けなくなります。順番を守るだけで、判断を先送りしながら得ができます。

この見解が当てはまらない人:すでに冷蔵庫が壊れていて買い替えの分岐に立っている人には当てはまりません。この場合は「置いたままの改善」が選べないので、買い替えるか持たないかの二択になります。

根拠:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」キッチンの冷蔵庫の項に並ぶ5つの省エネ行動とその金額(2026-08-19閲覧)。合計の約5,180円は各行動の金額を編集部が足し合わせた目安で、5つを同時に行った場合の実測値ではありません。編集部は自宅で消費電力を測っていないため、実際の削減額については立場を取りません。

この記事のまとめ

  • 国が挙げる冷蔵庫の省エネ行動は5つ。全部が「置いたまま」できること
  • 最大は設定温度「強」→「中」で年約1,910円。ダイヤルを回すだけ
  • 開閉まわりの2項目は足しても年約510円で、注目されているほど大きくない
  • 「未開封の缶詰・びん詰・調味料は冷蔵庫に入れないで」と名指しで書かれている
  • 合計約5,180円は持っている間しか取りに行けない

出典・参考(すべて2026-08-19閲覧)

  1. 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト|家庭向け省エネ関連情報|無理のない省エネ節約|キッチン」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html

文・シュン

Webとデータの仕事をしているエンジニア。広告運用・GA4・AI活用が日常で、数字で意思決定する癖がある。生活用品も同じやり方で、公式情報と実売データを調べてから選ぶ。記事の作り方と確認していること