検証ノート
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ミニマリストはゲームしない?国の統計は「持っているか」を数えていない

社会生活基本調査が測っているのは行動者率、つまり過去1年にやったかどうかです。何台持っているかは数えられていません。手放す判断の物差しは、統計の外にあります。

比較表で8件を横に並べた
調べ方を開示
ミニマリストはゲームしない?国の統計は「持っているか」を数えていない

棚のいちばん下に、電源を入れていない箱がある。捨てる理由も、置いておく理由も、はっきり言葉にできないままでした。

結論

国の統計は「ゲーム機を何台持っているか」を数えていません。数えているのは「過去1年にやったかどうか」です。だから手放す判断も、台数ではなく回数で考えるほうが、公的な物差しに近くなります。※総務省「令和3年社会生活基本調査」生活行動に関する結果で確認

持ち物の判断のしかたは、一人暮らしのリアル(全まとめ)にまとめています。

この記事の調べ方

確認した情報源
総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」の「4 趣味・娯楽」の節
やったこと
この調査が何を集計しているか(行動者数・行動者率・平均行動日数)を確認し、所有台数の集計が存在しないことを確かめた。年齢階級別の増減を全区分ぶん書き出した
確認日
2026-08-19(当日にPDFを取得して照合)
していないこと
ゲーム機の販売台数や市場規模は調べていない。ミニマリストのゲーム所有率を扱った公的調査は見つからなかったので扱っていない

この調査が数えているもの

棚に置かれたゲーム機

社会生活基本調査は、5年ごとに国民の生活時間と生活行動を調べる基幹統計です。趣味・娯楽の節に出てくる指標は3つでした(出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」、2026-08-19閲覧)。

指標意味令和3年の値(趣味・娯楽)
行動者数過去1年間にその活動を行った人の数9,703万1千人
行動者率同じく人口に対する割合86.3%
平均行動日数行動者の年間の日数種類別に集計
所有台数—集計項目に存在しない

国が趣味について測っているのは、やったかどうかだけです。持っているかどうかは、この調査の関心の外にあります。

ここだけ

公的な物差しは「所有」ではなく「行動」。手放すか迷うときは、台数ではなくこの1年の回数を数えるほうが、判断の材料として素直。

20〜24歳だけ、逆を向いている

趣味・娯楽の行動者率を年齢階級別に見ると、10〜14歳の95.5%が最も高く、年齢が上がるにつれておおむね下がります。75歳以上は67.2%。ここまでは想像どおりです。

ただ5年前(平成28年)からの増減を並べると、単調ではありませんでした。

年齢階級2016年2021年増減
10〜14歳95.5%95.5%0.0pt
15〜19歳94.1%94.4%+0.3pt
20〜24歳94.3%95.2%+0.9pt
25〜29歳93.7%92.0%−1.7pt
30〜34歳92.4%93.1%+0.7pt
35〜39歳91.9%93.0%+1.1pt
65〜69歳84.8%83.0%−1.8pt
70〜74歳81.7%78.9%−2.8pt

20〜24歳は上がり、隣の25〜29歳は現役世代で最大の下げでした。5歳の差でこれだけ逆を向いています。「大人になると趣味をやめる」という言い方は、この統計の中では成り立っていません。

行動者率が高いのは、場所を取らない趣味

片づいた机まわり

趣味・娯楽の種類別で、行動者率が最も高いのは男女ともに「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」(男性53.3%・女性53.7%)、次が「映画館以外での映画鑑賞」(男性53.0%・女性52.4%)でした。

どちらも、部屋の中に大きな器具を置かずに成立する趣味です。この調査は器具の有無を測っていないので断定はできませんが、上位2つが「置き場所を要求しない形」で並んでいることは事実として残ります。

台数ではなく回数で数える

ゲーム機を手放すかどうかに、国の基準はありません。判断は自分で作るしかない。ただ物差しの形だけは借りられます。

調査は「過去1年間にやったか」で測っています。同じ聞き方を自分にすると、こうなります。この1年で何回起動したか。0回に近いなら、置いておく理由を言葉にできるかどうかが次の問いになります。言葉にできるなら残せばいいし、できないなら残す理由がないということです。

台数を数えると「まだ2台だから」で止まります。回数を数えると止まりません。

ガジェットの持ち方はミニマリストにモバイルバッテリーはいらない?、休日の使い方は一人暮らしの休日はつまらない?にまとめています。

よくある質問

社会生活基本調査は何を測っていますか?

行動者率です。過去1年間にその活動を行った人の割合を集計しています。令和3年調査では趣味・娯楽の行動者率が86.3%(行動者数9,703万1千人)でした。所有している機器の台数は、この調査の集計項目ではありません。

趣味・娯楽をする人は減っていますか?

少し減っています。令和3年の86.3%は、平成28年の87.0%から0.7ポイントの低下です。男性が0.4ポイント低下、女性が1.0ポイント低下で、女性のほうが下げ幅が大きくなっています。

年齢が上がると趣味はやめるものですか?

全体の傾向としては下がります。10〜14歳が95.5%で最も高く、75歳以上が67.2%です。ただし2016年からの増減で見ると20〜24歳は+0.9ポイントと上がっており、逆に25〜29歳は-1.7ポイントで最大の下げでした。単純に年齢だけでは説明できません。

趣味・娯楽で行動者率が高いのは何ですか?

男女ともに「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」が最も高く、男性53.3%・女性53.7%です。次いで「映画館以外での映画鑑賞」が男性53.0%・女性52.4%でした。

ゲーム機を手放すかどうかはどう決めればいいですか?

国の統計に判断基準はありません。ただ調査が測っているのが「過去1年にやったか」である以上、同じ物差しは自分にも使えます。この1年に何回起動したかを数えて、0に近いなら所有の理由を言葉にできるか確かめる。数える対象を台数から回数に変えるだけの話です。

編集部の見解

ゲーム機を数えるのをやめて、起動した回数を数える。国の統計が使っている物差しがそちらだから。

社会生活基本調査に所有台数の集計はありませんでした。趣味は行動として測られていて、持っているかどうかは問われていません。手放すか迷うとき、台数を数えると「まだ多くない」で止まります。回数だと止まりません。公的な統計の設計をそのまま借りるだけで、判断の解像度が上がります。

この見解が当てはまらない人:コレクションとして所有すること自体が目的の人には当てはまりません。その場合は起動回数が0でも所有の理由が言葉にできるので、回数の物差しが機能しません。

根拠:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」の表4-1・表4-2・図4-2(2026-08-19閲覧)。所有台数の集計が存在しないことは、編集部が同資料の趣味・娯楽の節を通読して確認しました。ミニマリストのゲーム所有率を扱った公的調査は見つかっていないため、編集部は立場を取りません。

この記事のまとめ

  • 国の統計が測るのは行動者率(過去1年にやったか)。所有台数は集計されていない
  • 趣味・娯楽の行動者率は86.3%で5年前より0.7pt低下
  • 年齢が上がるほど下がるが、20〜24歳だけ+0.9pt。隣の25〜29歳は−1.7ptで最大の下げ
  • 行動者率の上位2つは音楽鑑賞と映画鑑賞=置き場所を要求しない形
  • 判断の物差しは台数ではなく回数に置き換えられる

出典・参考(すべて2026-08-19閲覧)

  1. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」 https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf
  2. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査の結果」 https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/kekka.html

文・シュン

Webとデータの仕事をしているエンジニア。広告運用・GA4・AI活用が日常で、数字で意思決定する癖がある。生活用品も同じやり方で、公式情報と実売データを調べてから選ぶ。記事の作り方と確認していること