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ミニマリストにモバイルバッテリーはいらない?5年で1860件・85%が火災

NITEに通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は5年で1860件。うち約85%が火災に発展しています。持つか持たないかの前に、置き方の話があります。

比較表で2件を横に並べた
調べ方を開示
ミニマリストにモバイルバッテリーはいらない?5年で1860件・85%が火災

鞄の底に入れっぱなしのモバイルバッテリーを、夏の車内に置いたまま買い物に行った日がある。あれが何を意味するのかを、あとから知りました。

結論

NITEに通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は5年で1860件。うち1587件(約85%)が火災に発展しています。ただしこの区分にはスマートフォンも入るので、モバイルバッテリーを手放しても対象はゼロになりません。※NITE(製品評価技術基盤機構)令和7年6月26日発表資料で確認

ガジェットの持ち方は、ゆるミニマリスト入門(全まとめ)にまとめています。

この記事の調べ方

確認した情報源
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~『リチウムイオン電池搭載製品』の火災事故を防ぐ3つのポイント~」(令和7年6月26日発表)の本文
やったこと
件数と割合、集計期間、集計対象の定義(注記)を原文どおりに書き出した。ページ冒頭の訂正告知も含めて読んだ
確認日
2026-08-19(当日にページを取得して本文と照合)
していないこと
製品ごとの事故率は調べていない。特定のメーカーや型番の評価もしていない。安全な製品の推薦もしない

1860件のうち1587件が火災

モバイルバッテリーとケーブル

NITEの発表資料に、こう書かれています。「2020年から2024年までの5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報では、『リチウムイオン電池搭載製品』の事故は1860件ありました。事故の約85%(1860件中1587件)が火災事故に発展し、事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向にあり、6月~8月にかけてピークを迎えます」(出典:NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心」令和7年6月26日発表、2026-08-19閲覧)。

項目値
集計期間2020年〜2024年の5年間
事故件数1,860件
うち火災に発展1,587件(約85%)
ピークの時期6月〜8月
2024年・充電式電動工具26件
2024年・その他157件

注記も読みました。この件数には「消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故」が含まれ、さらに「調査中の事故や原因は特定されていないがリチウムイオン電池に起因した可能性があると推定される事故」も含まれます。確定した原因だけの数字ではありません。

ここだけ

ピークが6〜8月。気温で増えるということは、置き場所が事故の変数になっている。

NITE自身が、数字を訂正している

このページで目を引いたのは、本文より上に置かれた告知でした。「6月26日に発表いたしました(中略)資料中に誤記がございました」として、図1の2024年の件数を訂正しています。

項目誤正
充電式電動工具の2024年の件数2726
その他の2024年の件数156157

1件ずつの訂正です。公的機関でも数字は動くし、動いたら公表されます。引用するときに「いつ時点の版か」を書かないと、この訂正の前後で食い違いが出ます。

3つのポイントは、どれも所有の話ではない

鞄の中の小物

NITEが挙げる対策は3つです。原文どおりに並べます。

場面書かれていること
正しく購入する連絡先が確かなメーカーや販売店から購入する/リコール対象ではないことを確認して購入し、購入後も常に最新の情報をチェックする/安価な「非純正バッテリー」が抱えるリスクについて理解する
正しく使用する高温下に放置するなどして熱を与えない/強い衝撃を与えない
正しく対処する充電・使用時は時々様子を見て、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止する/万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で、119番通報する

どれも「持つな」とは言っていません。買い方と置き方と気づき方の話です。「大量の水で消火」という指示は、電気製品の火に水をかけない、という一般的な感覚とは逆向きなので覚えておく価値があります。

手放しても、対象は残る

ここが判断のいちばん大事なところです。この統計の対象は「リチウムイオン電池搭載製品」で、資料には「モバイルバッテリーやスマートフォン、電動アシスト自転車など」と例示されています。

スマートフォンが入っています。モバイルバッテリーを手放しても、ポケットの中に同じ区分の製品が残ります。だから「持たない=この事故と無関係になる」は成り立ちません。

減らす判断そのものは有効です。数が減れば、高温下に放置してしまう機会も減ります。ただ効き目は「ゼロにする」ではなく「機会を減らす」の側だと理解しておくほうが、置き方への注意を続けられます。

ガジェットの持ち方はミニマリストはゲームしない?、部屋の物量の考え方はミニマリストは収納ケースがいらない?にまとめています。

よくある質問

モバイルバッテリーの事故はどれくらい起きていますか?

NITEによると、2020年から2024年までの5年間に通知された「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は1860件でした。このうち約85%にあたる1587件が火災事故に発展しています。モバイルバッテリー単体ではなく、スマートフォンや電動アシスト自転車なども含む区分です。

事故が増える時期はありますか?

あります。NITEは「事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向にあり、6月~8月にかけてピークを迎えます」としています。この時期に合わせて注意喚起が出されています。

NITEが挙げている対策は何ですか?

3つです。正しく購入する(連絡先が確かなメーカーや販売店から買う/リコール対象でないことを確認する/安価な非純正バッテリーのリスクを理解する)、正しく使用する(高温下に放置しない/強い衝撃を与えない)、正しく対処する(異常を感じたら中止する/発火時は大量の水で消火し水没させた状態で119番通報する)です。

持たないほうが安全ですか?

NITEは所有の是非について書いていません。示されているのは購入・使用・対処の3つの場面での注意点だけです。ただしスマートフォン自体もリチウムイオン電池搭載製品に含まれるため、モバイルバッテリーを手放しても対象がゼロになるわけではありません。

発火したらどうすればいいですか?

NITEは「万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で、119番通報する」としています。水を避ける対処ではなく、大量の水を使うと明記されている点が特徴的です。

編集部の見解

持つか持たないかで考えるより、夏に高温の場所へ置かないことを決めるほうが効く。事故のピークが6〜8月に来ているから。

NITEの3つのポイントは、どれも所有ではなく扱いの話でした。しかも対象区分にスマートフォンが入っているので、モバイルバッテリーを手放しても同じ区分の製品はポケットに残ります。減らす判断は機会を減らす効果しか持ちません。であれば、置き場所のほうを先に決めたほうが確実です。夏の車内とダッシュボードを候補から外す。それだけで、資料が挙げた「高温下に放置」の一番大きな場面が消えます。

この見解が当てはまらない人:非純正の安価なバッテリーを使っている人には当てはまりません。NITEは購入の項でこのリスクを名指ししているので、置き方より先に製品そのものを見直す話になります。

根拠:NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~『リチウムイオン電池搭載製品』の火災事故を防ぐ3つのポイント~」(令和7年6月26日発表、訂正告知を含む本文/2026-08-19閲覧)。件数と割合はすべて同資料の記載どおりで、編集部の推計は含みません。特定製品の安全性については編集部は立場を取りません。

この記事のまとめ

  • 5年間で1,860件。うち1,587件(約85%)が火災に発展
  • 事故は6〜8月にピーク。気温が変数になっている
  • NITEの3つのポイントはどれも所有ではなく扱いの話
  • 発火時は大量の水で消火し水没させた状態で119番と明記
  • 対象区分にスマートフォンが入る=手放しても対象はゼロにならない

出典・参考(すべて2026-08-19閲覧)

  1. 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~『リチウムイオン電池搭載製品』の火災事故を防ぐ3つのポイント~」(令和7年6月26日発表) https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs250626.html

文・シュン

Webとデータの仕事をしているエンジニア。広告運用・GA4・AI活用が日常で、数字で意思決定する癖がある。生活用品も同じやり方で、公式情報と実売データを調べてから選ぶ。記事の作り方と確認していること