検証ノート
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ミニマリストは結婚できない?独身でいる理由の1位は別だった

自由を手放したくないから結婚しない、という筋書きをよく見ます。出生動向基本調査で25〜34歳が挙げた独身でいる理由の1位は「適当な相手にまだめぐり会わない」で、自由は2番手でした。

比較表で8件を横に並べた
調べ方を開示
ミニマリストは結婚できない?独身でいる理由の1位は別だった

物を持たない暮らしを続けていると、そのうち「結婚とか興味なさそう」と言われるようになります。言われるたびに、そうでもないんだけどな、と思っています。

結論

「自由を手放したくないから結婚しない」という筋書きは、実際の調査では最多の理由ではありません。25〜34歳の未婚者が挙げた1位は「適当な相手にまだめぐり会わないから」(男性43.3%・女性48.1%)で、自由を理由に挙げた人は男性26.6%・女性31.0%でした。※第16回出生動向基本調査(2021年実施)の実数で確認

一人暮らしの人づきあいの話は、一人暮らしのリアル(全まとめ)にまとめています。

この記事の調べ方

確認した情報源
国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)結果の概要」。独身者調査の「独身でいる理由」と「結婚意思」の図表を読んだ
読み取った範囲
25〜34歳の未婚者の回答を、第15回(2015年)と第16回(2021年)で並べて比較した
確認日
2026-08-19(当日に報告書PDFを取得して本文と照合)
していないこと
ミニマリストを名乗る人だけを取り出した統計は探したが見つからなかった。この記事では未婚者全体の数字までしか扱っていない。恋愛や結婚の助言もしていない

独身でいる理由を、多い順に並べる

ふたり分の食器を並べた食卓

国立社会保障・人口問題研究所は、5年おきに未婚者へ「現在独身でいる理由」を尋ねています。3つまで選ぶ設問なので、合計は100%になりません(出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」、2026-08-19閲覧)。25〜34歳の回答がこれです。

独身でいる理由(25〜34歳)男性女性
適当な相手にまだめぐり会わないから43.3%48.1%
独身の自由さや気楽さを失いたくないから26.6%31.0%
結婚する必要性をまだ感じないから25.8%29.3%
今は、趣味や娯楽を楽しみたいから22.4%24.5%
結婚資金が足りないから23.1%13.4%
異性とうまくつき合えないから20.0%18.2%
今は、仕事(学業)にうちこみたいから14.3%14.4%
結婚生活のための住居のめどがたたないから5.2%4.5%

1位と2位の差は、男性で16.7ポイント、女性で17.1ポイントあります。自由でいたいという理由は、たしかに上位に入っていますが、最多ではありません。

ここだけ

「自由を優先するから結婚しない」という説明は、実際に多い理由の2番手。1位は相手に出会っていないこと。

6年で動いた項目、動かなかった項目

同じ調査の前回(第15回・2015年実施)と並べると、どこが動いたかが見えます。

理由(25〜34歳・男性)第15回第16回差
結婚資金が足りないから29.1%23.1%−6.0pt
結婚する必要性をまだ感じないから29.5%25.8%−3.7pt
適当な相手にまだめぐり会わないから45.3%43.3%−2.0pt
独身の自由さや気楽さを失いたくないから28.5%26.6%−1.9pt
今は、趣味や娯楽を楽しみたいから19.4%22.4%+3.0pt
異性とうまくつき合えないから14.3%20.0%+5.7pt

いちばん下がったのがお金の理由で、いちばん上がったのが人づきあいの理由でした。お金が理由の中心から外れて、関係のつくり方のほうへ寄っているという並びです。

ここが、この記事の問いに効いてきます。持ち物を減らす暮らしは、お金の使い方の話として語られがちです。ところが独身でいる理由の側では、お金の項目はむしろ縮んでいます。結婚の話をお金と持ち物の話に寄せて説明すると、調査の動きとはずれた場所を見ることになります。

結婚したい人の割合も下がっている

ふたつ並んだマグカップ

もうひとつ、前提になる数字を置いておきます。18〜34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えたのは、第16回で男性81.4%・女性84.3%でした。前回はそれぞれ85.7%・89.3%です。

「いずれ結婚するつもり」第15回第16回
18〜34歳・男性85.7%81.4%
18〜34歳・女性89.3%84.3%

下がってはいますが、8割を超えたままです。この母集団の中で「独身でいる理由」が聞かれているので、上の表は結婚する気がある人が、いまはまだしていない理由として読むことになります。

ミニマリストだけを取り出した数字はない

正直に書いておきます。ミニマリストを名乗る人の結婚について、国の統計はありません。持ち物の量を尋ねる調査項目がないので、そこだけ切り出すことができません。探しましたが、見つけられませんでした。

だからこの記事で言えるのは、未婚者全体の傾向までです。「ミニマリストは結婚できない」という言い方が正しいか間違っているかは、データでは決められません。決められるのは、その説明の根拠としてよく使われる「自由を手放したくないから」が、実際の調査では最多の理由ではない、というところまでです。

暮らしの前提が違う相手と一緒になるときに何を揃えるかは、ミニマリストの家族が抱える問題のほうで、居住面積の話から整理しています。

よくある質問

独身でいる理由でいちばん多いのは何ですか?

第16回出生動向基本調査(2021年実施)では、25〜34歳の未婚者が挙げた理由の最多は「適当な相手にまだめぐり会わないから」で、男性43.3%・女性48.1%でした。3つまで選ぶ設問なので、合計は100%になりません。

「自由でいたいから」はどのくらいの割合ですか?

「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」を挙げた人は、25〜34歳で男性26.6%・女性31.0%でした。前回の第15回調査は男性28.5%・女性31.2%で、ほぼ横ばいです。最多の理由には届いていません。

お金を理由に挙げる人は増えていますか?

減っています。「結婚資金が足りないから」を挙げた25〜34歳の男性は、第15回の29.1%から第16回は23.1%へ6.0ポイント下がりました。女性も17.8%から13.4%へ下がっています。一方で「異性とうまくつき合えないから」は男性14.3%から20.0%へ上がりました。

ミニマリストの結婚に関する統計はありますか?

見つけられませんでした。国の調査は持ち物の量を尋ねていないので、ミニマリストを名乗る人だけを取り出した数字はありません。この記事で扱えるのは未婚者全体の傾向までです。

結婚したい人の割合はどうなっていますか?

第16回調査では、18〜34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えたのは男性81.4%・女性84.3%でした。前回はそれぞれ85.7%・89.3%だったので、男女ともに下がっています。

編集部の見解

「物が少ないから結婚できない」という言い方は、根拠として弱い。持ち物の量を尋ねた統計がそもそも無いし、よく使われる「自由を手放したくない」も1位ではない。

上の表のとおり、最多の理由は相手に出会っていないことでした。しかも6年で最も下がったのはお金の理由で、最も上がったのは人づきあいの理由です。暮らし方の説明で結婚のしにくさを語ると、調査が示している動きとは別の場所を指すことになります。自分の暮らしを変えるかどうかと、相手に出会うかどうかは、別々に置いたほうが扱いやすいと考えています。

この見解が当てはまらない人:すでにパートナーがいて、持ち物の量で具体的にぶつかっている人には当てはまりません。その場合は統計の話ではなく、二人の間の取り決めの話になります。35歳以上の方も別で、上の表は25〜34歳の回答です。

根拠:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」(2026-08-19閲覧)の独身でいる理由と結婚意思の数値。ミニマリストを名乗る人に限った統計は見つけられなかったため、その層の結婚のしやすさについては立場を取りません。

この記事のまとめ

  • 25〜34歳の独身でいる理由の1位は「適当な相手にまだめぐり会わないから」(男43.3%・女48.1%)
  • 「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」は男26.6%・女31.0%で2番手
  • 6年でお金の理由は下がり(男−6.0pt)、人づきあいの理由は上がった(男+5.7pt)
  • 「いずれ結婚するつもり」は男81.4%・女84.3%で、8割を超えたまま
  • ミニマリストだけを取り出した統計は存在しない。持ち物の量を尋ねた調査項目がない

出典・参考(2026-08-19閲覧)

  1. 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)結果の概要」 https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16gaiyo.pdf
  2. 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」 https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp

文・シュン

Webとデータの仕事をしているエンジニア。広告運用・GA4・AI活用が日常で、数字で意思決定する癖がある。生活用品も同じやり方で、公式情報と実売データを調べてから選ぶ。記事の作り方と確認していること