一人暮らしは年賀状を出さない?やめた理由と代わりの挨拶
年賀状を出すかどうかは「相手の今の住所を自分が持っているか」で決まります。日本郵便の2026年用の当初発行枚数は7億4,841万枚で、前年の10億7,000万枚から約3割減りました。やめたあとの代わりの置き方まで整理します。
去年もらった年賀状の束を見て、今年はどうしようで手が止まる。一人暮らしで年賀状を出さない選択は、ゆるく続けるための線引きとして成り立ちます。
年賀状を出すかどうかは「相手の今の住所を自分が持っているか」で決まります。持っていないなら、出す作業は住所を聞くところから始まります。日本郵便の2026年用年賀はがきの当初発行枚数は7億4,841万枚で、前年の10億7,000万枚から約3割減りました(出典:日本郵便「2026(令和8)年用年賀はがきなどの発行および販売」別紙1、2026-08-13閲覧)。※枚数・売価・締切はすべて日本郵便の公表資料から引いています
一人暮らしのリアルな悩み全体は、一人暮らしの悩み別の答えまとめ(検証16記事)に整理しています。
この記事の調べ方
- 確認した資料
- 日本郵便の年賀はがきプレスリリース2年分(2025年用・2026年用)から発行枚数・売価・引き受けと差し出しの日程を拾い、総務省統計局の移動者数と突き合わせた
- 判断の軸
- ①相手の現住所を自分が持っているか ②年末に固定された締切を自分の予定に置けるか
- 確認日
- 2026-08-13
- していないこと
- 「出さない人が何割いるか」を示す公的な統計は見つからなかった。世論調査の類は使わず、発行枚数と人口移動のデータから読める範囲にとどめた
年賀状を出す人が減っているのは、はがきの枚数に出ている
日本郵便が発行する年賀はがきの枚数は、1年で約3割減りました。2025年用の当初発行枚数は10億7,000万枚、2026年用は7億4,841万枚です(出典:日本郵便、2026-08-13閲覧)。
この数字は「何人がやめたか」ではありません。印刷会社向けの四面連刷や法人利用も含んだ、発行側の見込みです。それでも、日本郵便が翌年に刷る枚数を3割下げたという事実は、受け取り手も出し手も減っている前提で計画が組まれていることを示します。
出す側の動きは、日本郵便自身の商品にも表れています。2026年用では「年賀状、やめるんじゃなくて、つなげていこう」というコンセプトの新商品を印刷会社と共同で立ち上げました(出典:日本郵便、2026-08-13閲覧)。やめる人が増えている前提に立たなければ、この言い方は出てきません。
減っているのは事実。ただし「みんなやめたから自分もやめていい」という話ではなく、自分が出す相手の顔が浮かぶかどうかで決める。
一人暮らしで手が止まる理由は、3つに分かれる
年賀状が面倒に感じる理由は、書くことそのものではありません。住所・締切・作業の3つに分解すると、どこで止まっているかがはっきりします。
相手の住所が、去年のまま使えない
一人暮らしを始めた世代は、住所が動きます。総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告2025年結果では、都道府県をまたぐ移動者251万5,731人のうち20〜24歳が58万5,495人と最も多く、次いで25〜29歳が53万3,880人でした。同じ都道府県のなかの移動でも、25〜29歳の57万9,941人が最多です(出典:総務省統計局、2026年2月公表、2026-08-13閲覧)。
年賀状の宛名は、去年の住所録をそのまま流用する前提で成り立っています。相手も自分も動く年代では、その前提が崩れます。「出そう」と思ってから住所を聞くLINEを送ることになり、そこで一度止まる。
締切が年末の一点に固定されている
年賀状には、自分で動かせない日付が入っています。日本郵便は2026年用年賀はがきについて、年賀状としての引き受け開始を2025年12月15日(月)、元日に届けるための差し出しを2025年12月25日(木)までと案内しています。はがきの販売期間は2025年10月30日から2026年1月9日までです(出典:日本郵便、2026-08-13閲覧)。
この10日間は、仕事の年末進行と大掃除と帰省の準備が重なる場所にあります。動かせない締切を、いちばん動かせない週に置くことになる。年賀状をやめる判断の多くは、内容ではなくこのカレンダーの重なりから出ています。年末年始の予定をどこまで自分で決めるかは、一人暮らしの帰省がしんどいときの頻度の決め方にも通じます。
1枚85円が、枚数ではなく作業として重い
2026年用年賀はがきの売価は、無地・インクジェット紙ともに1枚85円です(出典:日本郵便「券種一覧」、2026-08-13閲覧)。20枚出すなら、はがき代だけで1,700円。印刷を業者に頼めば別途かかりますが、金額そのものは生活を圧迫する額ではありません。
重いのは金額ではなく、年に一度しか走らない作業であることです。仕事の言い方をすると、年賀状は年1回だけ実行するバッチ処理に近い。頻度が低いので手順が身体に残らず、毎年ゼロから思い出すところから始まります。住所録の場所、印刷の設定、切手の要不要。1年に1回の処理は、回数が少ないぶん毎回いちばん高い初期コストを払うことになります。
同じ構造は、続けるほど手間が積み上がる節約習慣にもあります。手間と効果が釣り合わなくなる線の引き方はミニマリストはポイ活をやめた方が良い?理由と賢い節約術で整理しました。
出さないと本当に困るのか、相手別に見る
困るかどうかは相手で変わります。3つに分けると、実際に困るのは1つだけに絞られます。
| 相手 | 出さない場合 | 理由 |
|---|---|---|
| 友人・同僚 | 困りにくい | 連絡経路が他にあり、年始の挨拶もそちらで済む |
| 親・親族 | 説明が要る | 出す側の習慣が残っていることが多く、無言でやめると心配される |
| 職場・取引先 | 職場次第 | 会社の慣行を外から判断できない。周囲に確認してから決める |
友人と同僚は、連絡先をすでに別の経路で持っています。年始に一言送れる相手に、はがきをもう1本足す必要は薄い。困りやすいのは親や親族で、こちらは「届かなくなった」を「何かあった」と受け取る側の習慣が残っています。親との連絡の頻度をどう決めるかは、親からの連絡がストレスなときの減らし方に整理しました。
それでも出したほうがいい人の条件
次のどれかに当てはまるなら、やめる判断は保留にしたほうが後悔が少なくなります。
- 年賀状でしか連絡先を知らない相手がいる。住所しか持っていない関係は、出すのをやめた時点で経路が消える
- 職場が年賀状のやり取りを慣行として続けている。個人の判断で降りると、自分だけが例外になる
- 祖父母など、はがきが届くこと自体が安否の確認になっている相手がいる
- 去年もらった相手に、まだ一度も返せていない。やめるのは返した翌年からのほうが角が立たない
この4つに当てはまらないなら、出さない側に倒しても実害は出にくい。当てはまるなら、全部やめるのではなく相手を絞って出す形が残ります。
出さないと決めたあと、代わりに何を置くか
やめた人が困るのは、年始に何もしないことではなく、何もしない状態が続いて連絡が切れることです。代わりの置き方は3つあります。
- 元日から三が日のあいだに、短い連絡を1本送る。相手の住所が要らないので、締切も印刷も消える。年賀状より短く、頻度は同じ
- 届いた相手にだけ返す。事前の準備をゼロにして、届いてから動く形にする。返す相手が毎年少しずつ減っていく
- 寒中見舞いに寄せる。年末の10日間を避けて、年が明けてから出す。日本郵便は寒中見舞いはがきの印刷を2025年11月4日から2026年1月16日まで受け付けています(出典:日本郵便、2026-08-13閲覧)
どれを選んでも、年末の締切からは外れます。年賀状をやめる判断の実体は、挨拶をやめることではなく、12月25日という他人が決めた期限を自分の暦から外すことです。
よくある質問
年賀状を出さないと失礼になりますか?
相手が出す側の習慣を持っているかどうかで変わります。毎年届く相手に何も返さない状態が続くと、相手側で「連絡が取れなくなった」と受け取られることがあります。失礼かどうかより、返事をどの形で置くかを先に決めておくほうが実務的です。松の内を過ぎてから寒中見舞いを出す方法もあり、日本郵便は寒中見舞いはがきの印刷を2025年11月4日から2026年1月16日まで受け付けています。
会社の上司や取引先にも出さなくていいですか?
職場の慣行次第です。会社として年賀状のやり取りを続けているか、個人名で出す文化が残っているかは、外からは判断できません。周囲が出しているかどうかを一度確認してから決めると、想像で判断するより外しません。
相手から年賀状が届いたら、どうすればいいですか?
届いてから返す形で間に合います。日本郵便が案内している2025年12月25日という日付は、元日に届けるための差し出しの目安です。元日に間に合わせる必要がないなら、年が明けてから届いた分にだけ返す運用にできます。事前の準備がゼロになり、年末の忙しい10日間から外れます。
年賀状は、いつまでに出せば元日に届きますか?
日本郵便は2026年用年賀はがきについて、元日に届けるため2025年12月25日(木)までの差し出しを案内しています。年賀状としての引き受け開始は2025年12月15日(月)で、それより前に出した年賀状は通常郵便の標準送達日数で年内に届きます。
この記事のまとめ
- 判断の軸は「相手の今の住所を持っているか」。持っていないなら、出す作業は住所を聞くところから始まる
- 年賀はがきの当初発行枚数は、2025年用10億7,000万枚から2026年用7億4,841万枚へ約3割減(日本郵便)
- 重いのは1枚85円ではなく、年1回しか走らないぶん毎年ゼロから思い出す作業のほう
- やめるなら、年始の短い連絡・届いた相手にだけ返す・寒中見舞いのどれかを代わりに置く
- 暮らしの困りごと全体は一人暮らしの悩み別の答えまとめに集めています
出典・参考(すべて2026-08-13閲覧)
- 日本郵便「2026(令和8)年用年賀はがきなどの発行および販売」(2025年8月29日)https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/476059610084.html
- 日本郵便「別紙1 2026(令和8)年用年賀はがきの券種一覧」(当初発行枚数の合計7億4,841万枚・売価85円)https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2025/00_honsha/0829_02_02.pdf
- 日本郵便「別紙1 2025(令和7)年用年賀はがきの券種一覧」(当初発行枚数の合計10億7,000万枚)https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2024/00_honsha/0830_02_02.pdf
- 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果 結果の概要」(2026年2月)https://www.stat.go.jp/data/idou/2025np/jissu/pdf/2025gaiyou.pdf